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札幌市内の認知症対応施設完全ガイド〜症状別におすすめの施設タイプを解説
2025/04/05
札幌市内の認知症対応施設完全ガイド〜症状別におすすめの施設タイプを解説
認知症の症状がある大切な家族のために、どのような施設を選べばよいのか悩まれている方は多いのではないでしょうか。札幌市内には様々な認知症対応施設がありますが、症状の程度や特性によって最適な施設は異なります。本記事では、認知症の方とそのご家族に寄り添ってきた経験から、症状別に適した施設タイプと札幌市内のおすすめ施設の選び方を詳しく解説します。
目次
- 認知症の症状と進行度について
- 認知症対応施設の種類と特徴
- 軽度認知症の方におすすめの施設タイプ
- 中等度認知症の方におすすめの施設タイプ
- 重度認知症の方におすすめの施設タイプ
- 札幌市内の認知症対応施設の選び方
- 認知症ケアの質を見極めるポイント
- 札幌市の認知症支援サービス
認知症の症状と進行度について
認知症は単なる物忘れとは異なり、脳の機能低下によって日常生活に支障をきたす状態です。施設選びの前に、まずは認知症の症状と進行度を正しく理解しましょう。
認知症の主な症状
認知症の症状は大きく「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」に分けられます。
中核症状:
- 記憶障害(新しいことを覚えられない、以前の記憶も失われる)
- 見当識障害(時間や場所、人間関係がわからなくなる)
- 理解・判断力の低下(複雑な作業ができなくなる)
- 実行機能障害(計画を立てて実行することが難しくなる)
- 失語・失行・失認(言葉が出てこない、動作がぎこちない、物の認識ができない)
行動・心理症状(BPSD):
- 徘徊(目的もなく歩き回る)
- 妄想・幻覚(物を盗まれたと思い込む、実際にはない人や物が見える)
- 攻撃的行動(怒りっぽくなる、暴言や暴力)
- 昼夜逆転(夜間に活動的になる)
- うつ症状・不安(落ち込みや不安が強くなる)
認知症の進行度
認知症の進行度は一般的に以下のように分類されます。
軽度認知症:
- 最近の出来事を忘れるが、昔の記憶は保たれている
- 日常生活はほぼ自立しているが、複雑な作業に支障がある
- 物の置き場所を忘れることが増える
- 軽度の見当識障害(日付や曜日を間違える)
- 社会的な付き合いを避けるようになる
中等度認知症:
- 近時記憶が著しく低下し、昔の記憶も曖昧になる
- 日常生活に部分的な介助が必要になる
- 見当識障害が進行(自宅がわからなくなるなど)
- 着替えや入浴などの基本的な生活動作に支援が必要
- BPSDが目立つようになる(徘徊、妄想など)
重度認知症:
- ほとんどの記憶が失われる
- 家族の顔や名前もわからなくなることがある
- 日常生活全般に介助が必要
- 言語能力が著しく低下し、コミュニケーションが困難
- 歩行困難や嚥下障害などの身体症状も現れる
認知症の進行度を正確に把握することで、適切な施設選びが可能になります。かかりつけ医や専門医の診断を参考にしましょう。
認知症対応施設の種類と特徴
札幌市内には様々な種類の認知症対応施設があります。それぞれの特徴を理解し、ご家族の状態に合った施設を選びましょう。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
特徴:
- 認知症の方専用の少人数制施設(通常1ユニット9名程度)
- 家庭的な環境で共同生活を送る
- 24時間スタッフが常駐
- 日常生活の中でのケアを重視
対象者:
- 要支援2〜要介護5の認知症の方
- 比較的身体機能が保たれている方
- 集団生活が可能な方
費用目安(札幌市内):
- 月額費用: 12〜18万円程度
- 入居一時金: 通常なし
札幌市内の状況:
- 各区に多数のグループホームが点在
- 待機者が多い施設も多い
介護付き有料老人ホーム(認知症専門棟あり)
特徴:
- 一般棟と認知症専門棟を分けて運営
- 24時間介護・看護体制
- 個室が基本(プライバシーが確保される)
- 重度化しても継続入居が可能なケースが多い
対象者:
- 軽度〜重度の認知症の方
- 身体介護も必要な方
- 医療ケアが必要な認知症の方
費用目安(札幌市内):
- 月額費用: 15〜30万円程度
- 入居一時金: 0〜数百万円
札幌市内の状況:
- 中央区、北区、東区に多い
- 大手チェーンの運営が多い
特別養護老人ホーム(特養)
特徴:
- 公的施設で費用が比較的安い
- 24時間介護体制
- 多床室と個室がある
- 終身利用が可能
対象者:
- 原則要介護3以上の方
- 中等度〜重度の認知症の方
- 低所得の方
費用目安(札幌市内):
- 月額費用: 8〜15万円程度
- 入居一時金: 通常なし
札幌市内の状況:
- 各区に点在するが数が限られている
- 待機期間が長い(1〜3年程度)
認知症対応型デイサービス
特徴:
- 日帰りの通所サービス
- 認知症の方専用のプログラム
- 少人数制で個別対応
- 在宅生活を支援する
対象者:
- 在宅で生活している認知症の方
- 家族の介護負担軽減が必要な方
費用目安:
- 1日あたり約1,000〜2,000円程度(介護保険自己負担分)
札幌市内の状況:
- 各区に複数施設あり
- 送迎サービスあり
小規模多機能型居宅介護
特徴:
- 「通い」「泊まり」「訪問」を組み合わせたサービス
- 同じスタッフが一貫したケアを提供
- 認知症の方の環境変化によるストレスを軽減
対象者:
- 在宅生活を続けたい認知症の方
- 状況に応じて柔軟なサービスが必要な方
費用目安:
- 月額約1〜3万円程度(介護保険自己負担分)
札幌市内の状況:
- 各区に点在
- 登録定員は通常25名程度
軽度認知症の方におすすめの施設タイプ
軽度認知症の方は、まだ自立度が高く、適切な環境と支援があれば質の高い生活を送ることができます。
サービス付き高齢者向け住宅(認知症対応)
おすすめの理由:
- 自立した生活スタイルを維持できる
- 安否確認や生活相談サービスがある
- 必要に応じて外部サービスを利用できる
- プライバシーが確保される
札幌市内のおすすめエリア:
- 地下鉄駅周辺(東西線沿線など)
- 医療機関が近いエリア
選ぶ際のポイント:
- 認知症の方への理解があるスタッフがいるか
- 徘徊などへの安全対策があるか
- 外部サービス(デイサービスなど)との連携体制
- 認知症が進行した場合の対応方針
住宅型有料老人ホーム(認知症対応)
おすすめの理由:
- 24時間スタッフが常駐で安心
- 生活支援サービスが充実
- 同じ法人の介護付きホームへの住み替えが可能なケースも
- 認知症の進行を遅らせるプログラムを実施している施設もある
札幌市内のおすすめエリア:
- 西区、厚別区などの閑静な住宅地
- 自然環境が豊かな地域
選ぶ際のポイント:
- 認知症ケアの研修を受けたスタッフの有無
- 認知症の方向けのアクティビティの充実度
- 外出時の見守り体制
- 認知症が進行した場合の継続入居条件
認知症対応型デイサービス+在宅サービスの組み合わせ
おすすめの理由:
- 住み慣れた自宅で生活を続けられる
- 専門的な認知症ケアを日中受けられる
- 家族の介護負担を軽減できる
- 社会とのつながりを維持できる
札幌市内のおすすめサービス:
- 認知症カフェを併設したデイサービス
- 脳トレや回想法などのプログラムが充実したデイサービス
選ぶ際のポイント:
- 送迎サービスの有無と範囲
- プログラム内容の充実度
- スタッフの認知症ケアに関する専門性
- 利用者と家族の評判
中等度認知症の方におすすめの施設タイプ
中等度認知症の方は、日常生活に部分的な介助が必要で、BPSDが目立つようになる時期です。適切なケアと環境が重要になります。
グループホーム
おすすめの理由:
- 少人数制で目が行き届く
- 家庭的な環境で落ち着いて過ごせる
- 認知症ケアの専門スタッフが対応
- 生活リズムを整えやすい
札幌市内のおすすめエリア:
- 住宅街に位置するグループホーム
- 散歩できる公園が近いエリア
選ぶ際のポイント:
- スタッフの定着率と研修体制
- 入居者とスタッフの関係性
- 日中のアクティビティの内容
- 医療機関との連携体制
介護付き有料老人ホーム(認知症専門棟)
おすすめの理由:
- 認知症の方に配慮された環境設計
- 24時間の手厚い介護体制
- 専門的なBPSD対応が可能
- 身体介護も同時に受けられる
札幌市内のおすすめエリア:
- 北区、東区の医療機関が近いエリア
- 静かな環境の住宅地
選ぶ際のポイント:
- 認知症専門棟の環境(安全対策、刺激の調整など)
- 身体拘束をしない介護の実践状況
- 認知症ケアの方針と具体的な取り組み
- 家族との情報共有の仕組み
小規模多機能型居宅介護
おすすめの理由:
- 環境変化によるBPSDの悪化を防げる
- 同じスタッフによる一貫したケア
- 状態に応じて柔軟にサービスを組み合わせられる
- 家族の状況に合わせた支援が可能
札幌市内のおすすめエリア:
- 各区に点在(地域密着型サービス)
選ぶ際のポイント:
- 認知症ケアの実績と方針
- 「通い」「泊まり」「訪問」の柔軟な対応力
- 緊急時の受け入れ体制
- ケアマネジャーとの連携状況
重度認知症の方におすすめの施設タイプ
重度認知症の方は、日常生活全般に介助が必要で、コミュニケーションも困難になります。医療的ケアが必要になるケースも多いため、専門的な対応ができる施設が必要です。
介護付き有料老人ホーム(医療連携型)
おすすめの理由:
- 24時間看護体制がある
- 医療的ケアにも対応可能
- 個室でプライバシーが確保される
- 終末期ケアまで対応可能なケースが多い
札幌市内のおすすめエリア:
- 総合病院が近いエリア(中央区、北区など)
- 医療機関との連携が強い施設
選ぶ際のポイント:
- 看護師の配置人数と夜間体制
- 嚥下障害や褥瘡予防への取り組み
- 重度認知症ケアの実績
- 看取りケアの方針と実績
特別養護老人ホーム
おすすめの理由:
- 費用が比較的安い
- 終身利用が可能
- 重度の方への対応実績が豊富
- 医療連携体制が整っている施設が多い
札幌市内のおすすめエリア:
- 各区に点在
選ぶ際のポイント:
- ユニットケア型か従来型か(プライバシーの確保)
- 看取りケアの実績
- 医療機関との連携体制
- 家族の面会環境
認知症対応型共同生活介護(重度対応型)
おすすめの理由:
- 認知症専門のケア環境
- 少人数制で目が行き届く
- 馴染みの環境で最期まで過ごせる可能性
- 家庭的な雰囲気を維持
札幌市内のおすすめエリア:
- 医療機関との連携が強いグループホーム
選ぶ際のポイント:
- 重度認知症ケアの実績
- 医療連携体制の充実度
- 看取りケアの方針と実績
- スタッフの専門性と研修体制
札幌市内の認知症対応施設の選び方
札幌市内で認知症対応施設を選ぶ際の具体的なポイントをご紹介します。
地域特性を考慮した選択
札幌市は広大な面積を持ち、各区によって特性が異なります。
中央区・北区:
- 交通の便が良く、医療機関が充実
- 家族の訪問がしやすい
- 施設数が多く選択肢が豊富
- 費用はやや高め
東区・白石区・厚別区:
- 比較的新しい施設が多い
- 費用は中程度
- 閑静な住宅地に位置する施設が多い
西区・手稲区:
- 自然環境が豊か
- 費用はやや安め
- 広い敷地を持つ施設も
豊平区・清田区・南区:
- 住宅街に溶け込んだ小規模施設が多い
- 地域との交流が活発な施設も
- 費用は比較的安め
札幌の気候を考慮した施設選び
札幌の厳しい冬を考慮した施設選びも重要です。
冬季の安全対策:
- 建物の断熱性と暖房設備
- 積雪時の除雪体制
- 凍結防止対策
- 冬季の外出支援体制
家族の訪問のしやすさ:
- 冬季でもアクセスしやすい立地(地下鉄駅近くなど)
- 駐車場の除雪状況
- 公共交通機関からの距離
認知症ケアの専門性を確認する
施設の認知症ケアに対する専門性は非常に重要です。
確認すべきポイント:
- 認知症ケア専門士などの有資格者の在籍状況
- 認知症ケアに関する研修体制
- パーソン・センタード・ケア(その人を中心としたケア)の実践
- 非薬物療法(回想法、音楽療法など)の取り組み
- 身体拘束をしない介護の実践状況
家族のサポート体制
認知症の方のケアには、家族へのサポートも重要です。
確認すべきポイント:
- 家族会の有無と活動内容
- 家族向け勉強会や相談会の実施状況
- 面会の柔軟性(時間帯、頻度など)
- 家族との情報共有の仕組み(連絡ノート、定期面談など)
- 家族の宿泊設備の有無
認知症ケアの質を見極めるポイント
施設見学時に認知症ケアの質を見極めるポイントをご紹介します。
スタッフの対応を観察する
スタッフの対応は施設の質を示す重要な指標です。
チェックポイント:
- 入居者に対する声かけの仕方(敬意を持った対応か)
- 目線の高さを合わせて話しているか
- 急かさず、ゆっくりと対応しているか
- 否定せず、肯定的な言葉かけをしているか
- スタッフ同士のコミュニケーションは良好か
環境設計を確認する
認知症の方にとって、環境は症状に大きく影響します。
チェックポイント:
- 分かりやすい案内表示(ピクトグラムの活用など)
- 適切な照明(明るすぎず、暗すぎない)
- 落ち着いた色彩設計
- 安全に歩ける空間設計(手すり、段差解消など)
- 居場所の選択肢(静かに過ごせる場所、交流できる場所など)
日中の活動内容を確認する
認知症の方の生活の質は、日中の活動内容に大きく左右されます。
チェックポイント:
- 画一的ではなく、個別性を重視したプログラム
- 生活リハビリ(調理、掃除など生活に根ざした活動)
- 脳活性化プログラム(脳トレ、回想法など)
- 季節を感じられる行事や外出機会
- 入居者の残存能力を活かした役割づくり
BPSDへの対応方針を確認する
BPSDへの対応方針は、施設の認知症ケアの質を示す重要な指標です。
チェックポイント:
- 薬に頼らないケアの実践
- BPSDの原因を探る取り組み
- 環境調整によるBPSD軽減の工夫
- 個別ケアプランへのBPSD対応の反映
- 家族との情報共有によるBPSD理解の促進
札幌市の認知症支援サービス
札幌市では、認知症の方とそのご家族を支援するための様々なサービスが提供されています。施設選びと併せて活用を検討しましょう。
札幌市認知症コールセンター
サービス内容:
- 認知症に関する電話相談
- 専門の相談員による対応
- 適切な医療・介護サービスの紹介
連絡先:
- 電話: 011-700-2939
- 受付時間: 月〜金 10:00〜15:00(祝日・年末年始除く)
認知症初期集中支援チーム
サービス内容:
- 認知症が疑われる方や診断を受けたばかりの方への支援
- 医療・介護の専門職チームによる訪問支援
- 適切なサービスにつなげるための支援
利用方法:
- 各区の保健センター(保健福祉部)に相談
認知症カフェ
サービス内容:
- 認知症の方や家族、地域住民、専門職が集う場
- 情報交換や相談ができる
- リラックスした雰囲気での交流
札幌市内の状況:
- 各区に複数のカフェが開設
- 札幌市のホームページで開催情報を確認できる
認知症サポーター養成講座
サービス内容:
- 認知症に関する正しい知識を学ぶ講座
- 地域での見守り体制の構築
- 認知症の方と家族を支える地域づくり
参加方法:
- 札幌市社会福祉協議会に問い合わせ
まとめ
認知症の方にとって適切な施設選びは、生活の質を大きく左右する重要な決断です。症状の程度や特性、ご家族の状況、地域特性などを総合的に考慮し、最適な環境を選ぶことが大切です。
札幌市内には様々な種類の認知症対応施設がありますが、単に「認知症対応」と謳っていても、その内容や質には大きな差があります。必ず複数の施設を見学し、スタッフの対応や環境、ケアの方針などを比較検討することをお勧めします。
また、施設選びと並行して、札幌市の認知症支援サービスも積極的に活用しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、ご本人とご家族にとって最適な選択をすることが大切です。
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